ウエル・カルチャースクール企画【講師に聞く!vol.8】

ウエル・カルチャースクール企画【講師に聞く!vol.8】-0

【ウエル・カルチャースクール講師インタビュー】

日付:2024.0615

講師:我那覇 光(ガナハ ヒカリ) 講師

ウエル・カルチャースクール企画【講師に聞く!vol.8】

第7弾は、「楽しいフラダンス」講座の講師を務める我那覇光先生にインタビュー。

―インストラクター歴はどれくらいになりますか?

 

13年くらいです。ウエル・カルチャ―スクールでは約10年くらいインストラクターをしていますね。宜野湾市の老人福祉センターにあるフラダンスサークルでインストラクターをしたのが始まりです。そこに親戚のおばさんがいて「あんた、フラダンスできるなら教えなさい。」って(笑)

 

 

―フラを始めたきっかけは?

 

20年くらい前なんですけど、実はウエル・カルチャ―スクールの前身の社会保険センター時代に「楽しいフラダンス」講座を受講したのがきっかけでした。

高校時代に短期交換留学プログラムで2週間ハワイで生活した事があって、ハワイのフラに触れて、沖縄に戻ってからも「フラをやりたいな~」という気持ちはありました。しかし、その時は沖縄のどこでフラを教えているかも分からず、高校卒業後に社会保険センターの事を知り、フラ講座を受講しました。そして、その年、映画フラガールが大ヒットして、沖縄でフラブームが起きたんですね。クラスの受講生も40名超えるくらいの多人数でしたよ!

 

 

―フラを習って苦労した事はありますか?

 

最初のうちは、上半身と下半身で動きが違うことに戸惑いましたね。上は動かさず、下は動かすという踊りに苦労しました。表現どころじゃなく、その姿勢を保つことが大変で…(笑)

 

 

―フラを長く続けてきたんですね。

そうなんですよ!私、熱しやすく冷めやすい性格で、これまで色んな習い事をやってきたんですが、こんなに続いたのはフラが初めてでした。初めて受講した「楽しいフラダンス」講座の講師が兼元利律子先生で、兼元先生の講座を受講している内に、「もっとフラを学びたい」という気持ちが湧いてきて、先生のスタジオ【Halau Kalikopua O Kaipolani】を紹介してもらい、あれから約20年くらい経ちますが、今でも兼元先生が私のフラの師匠です。

 

 

―高校卒業後はフラ一本?

 

いいえ、フラ講座を受講しながら大学に通っていました。

実は、ハワイ留学中、現地でハワイ語を大切しようという動きを目の当たりにしました。ハワイはアメリカからの移住者が多く、英語が主流の中、学校の授業でハワイ語を取り入れたりして、自分達の言葉や伝統文化を次の世代に継承することに力を入れていました。ハワイのおかれる立場が沖縄と類似していると感じ、ハワイの問題は沖縄にも言える問題であると思いました。そこで、私は、琉球大学の国際言語文化学科という言語を扱う学科で『言語の復興』をテーマに研究していました。世界の言語の中でもハワイ語など少数言語を調べたりしてましたよ。

 

 

―フラの魅力とは何ですか?

 

リズムダンスと違って、フラは歌詞を基に踊りが構成されていて、よく『手話ソング』と言われてますね。歌詞一つ一つの意味をハンドモーションで表現する振付で、歌詞を理解すればするほど踊りに深みが出るんですね。そこに魅力を感じます。言葉にどう気持ちを込めるかが大切なんですね。

 

 

―フラにはどういった種類がありますか?

 

フラには2種類あって、伝統的な古典フラを「カヒコ」といい、打楽器に合わせてハワイの自然を賛美し、神や王に捧げるダンスとなっています。力強くてかっこいいんですよ。それに対して現代フラを「アウアナ」と言い、普段皆さんがよく目にするフラはこれかと思いますが、ハワイアンミュージックに合わせて華やかな衣装で優美に踊り、しっとりとした癒しを与えます。

 

 

―講座で工夫していることはありますか?

 

フラは見た目以上に難しいとよく言われます。そこで受講生には「まずは1年頑張ろう!」「間違えてもいいから、音楽に癒されながら体を動かしましょう。」と声かけは大切にしています。また、ただ踊るだけじゃなく歌詞の意味や背景、フラやハワイについての雑学などを伝えると、徐々にフラの魅力が伝わっていくのか、気がつくと皆さん、長く続けていますね。インストラクター始めた頃は、どれくらい続けてくださるか本当に不安でした。

―笑顔の作り方は?

 

笑顔を作ることもなかなか難しいんですね。人前で踊ると緊張するし、緊張すると表情がこわばってしまう。それで、皆さんには歌を口ずさみながら踊る様にアドバイスしています。そしたら、自然に口角が上がって笑顔になるんですよ。

 

 

―フラは意外とハードなダンスですよね?

 

そうなんです。ゆったりした曲が多く、癒しを与えるダンスなんですが、姿勢を維持して踊る事が最初はきつく感じるかもしれません。踊っている間ずっと中腰(無理しない程度)で、背筋はピンと伸ばしてきれいな姿勢を保つことが大切なんですよ。ただ、そのおかげか、猫背の人が少なく、姿勢がきれいな人が多いですよ。足腰も鍛えられます(笑)フラは腰を振るダンスと思っている方が多い様ですが、姿勢をきれいに保つダンスなんですね。

 

 

―フラはフォーメーションを組んで踊りますよね?

 

団体で踊るフラはそうですね。全体的な動きを覚えないといけないんですよ。ショーや発表会では、振付だけじゃなくフォーメーションも考えて動くので大変です(笑)

 

 

―目線も決めて踊っているんですか?

 

そうですね。目線の動きは決めますね。たまに違う方向見てる人がいたりするんですよ。こっち見てる人とあっち見てる人がいて目線がバラバラだと伝わらないじゃないですか。目線を合わせることも練習しますね。海を表現する時には海のイメージを統一したり、山だったらどこを見るとか決めるんですね。私たちは色んなものを手で表現するので、手を追っかけて目線を合わせます。手先をしっかり見る様にしています。

 

 

―受講生それぞれ踊りに違いはありますか?

 

あります。皆さん一生懸命踊るので、個性が出ますよ。細かく表現する人、ダイナミックに表現する人。レイをかける動き1つとっても人それぞれですよ。指先まで意識がいかなかったり、肩に力入ってる人が多く、しなやかさを出すためにそこは細かく指導しています。上半身固定して、下半身中腰で、肩の力抜いてフォーメーション通り踊るんですよ。皆さん、黙々と練習していますね(笑)

 

 

―受講生にはどんな方がいらっしゃいますか?

 

最高齢で88歳の方がいますよ。凄いですよね~。その方は私が講師を始めた一番最初から受けています。自分の米寿のお祝いで踊ったそうです。元気ですよね~(笑)その方、休まず毎回受講して、遅刻もしないんですね。それを見て『自分が好きなことは、いつまでもできるんだ。』と教えられました。

 

 

―イベント出演をしている時はどんな心境は?

 

インストラクターをするより先にイベント出演をして、人前で踊っていました。一番印象にあるのが、ムーンビーチでやったイベントで、そこで初めて屋外でフラを踊りました。これまではずっと屋内で踊っていたので、ビーチで踊るフラの開放感はとても気持ち良かったですね(笑)その後も砂浜や芝生の上で踊る機会を頂いて何度も踊ったのですが、裸足で自然を踏みしめて踊るフラは最高です♪

 

 

―フラはレイなどの装飾品も魅力ですよね?

 

そうなんです。その中でも造花じゃなく生のお花のレイで踊ると気持ち入りますよ!踊りながらお花の香りがするんですよ!ハワイアンミュージックを聞きながら海風や草花の香りに包まれて踊るんですよ。とても幸せな気持ちになります。

 

 

―衣装も素敵ですよね?

 

衣装へのあこがれは皆さん持ってますよ。衣装を見るために、他の団体の発表会を見に行く人がいますね。実際、衣裳を着ると気持ちが変わって華やかな気になるので、皆さん、衣裳を着るのが楽しみなんですよ。コロナ禍で舞台イベントが無くなった時には、衣裳を着る機会もないので、練習で1曲仕上がったら、衣裳を着て踊るということをやりました。

 

 

―フラも色んな団体ありますよね?

 

 そうですね。流派みたいなものがあるんですよ。踊りを見ると、手の動きだったり、ステップだったりがちょっと違うんですね。同じ曲、同じ歌詞でもステップやハンドモーションが違って、全然違う踊りに見えたりしますね。他の団体のフラはどう表現するのかを見るのは楽しいですよ(笑)

 

 

 

―インストラクターをして楽しかったことはとありますか?

 

ありますよ。「わかりやすかった」「楽しかった」と言ってもらうと嬉しいし、「また続けたい」と続けてもらえたらとても嬉しいですね。せっかく興味もってフラを始めていただいたので、続けて欲しい。最初の『好き』が、講座を受けている内にその魅力を感じ徐々に大きな『好き』に変わっていったという事だと思うので。その為にも、私は毎回毎回、楽しさを伝えるようにしています。

 

 

 

―今後、どういうインストラクター活動をしていきたいですか?

 

一番、自分が楽しむ事!それだけです。どんなにきついステップでも辛い表情は見せず、皆さんに楽しそうに踊ります。ハワイの美しい自然や楽しさを伝えたいので、私も歌いながら踊っています♪そしてゆくゆくは師匠の兼元先生の様に、「ついて行きたい」と思ってもらえる先生になりたいですね。兼元先生の踊りは本当にきれいで見惚れるくらいなんですね。自分もそれくらい踊れるようになりたいですね。

 

 

―フラダンサーとしての特徴は何ですか?

 

手ですね。「手がきれいですね」と言われたことはあります。手の表現でハワイ語の歌詞を伝える様に強く意識しているからなんでしょうか。師匠の兼元先生がとてもきれいなんですね。それを追いかけているからかもしれないですね。

 

 

 

―普段の生活でフラが出てしまうことありますか?

 

ありますよ。ゴルフしている人が思わず傘でゴルフスイングしてしまうみたいに。こないだ、台所でご飯作ってたら、気がつくとユラユラとフラのステップ踏んでました(笑)