ウエル・カルチャースクール企画【講師に聞く!vol.5】

【ウエル・カルチャースクール講師インタビュー】
日付:2023.0614
講師:永渕 悦子 講師

ウエル・カルチャースクール企画【講師に聞く!vol.5】
第5弾は、「マットピラティス」講座の講師を務める永渕悦子先生にインタビュー。

「重力・加齢に負けない美しい姿勢づくりを目指して」

-永渕先生のピラティスとの出会いは?
元々はエアロビクスのインストラクターだったんです。
昔から身体を動かすことが大好きで、小さい頃はいわゆる「お転婆」でした。踊ることが大好きでバレエをしていました。高校生の頃、スポーツジムに行った時、私がダンス経験者であるということで、エアロビクスのインストラター養成コースにスカウトされた事がありました。それも魅力に感じたのですが…その時は!幼稚園の先生になることを選び…。でも、幼稚園の先生を3年勤めて後、一念発起でエアロビクスのインストラクターに転職しましたね。
やはり、音楽に合わせて身体を動かすことが楽しくで、それを仕事にすることを選びました。
その後、結婚して沖縄に住むことに。沖縄に来てしばらくは専業主婦をしていました。

-永渕先生、ピラティスとの出会いを教えてください!
ちょっと待って(笑)
結婚して子供たちがある程度大きくなったタイミングで、インストラクターとして週1回程度、体育館や公民館を借りてサークルみたいな感じでダンスレッスンを行っていました。私も受講生も子供を連れてやってましたよ。それから1~2年後、2004年にピラティスインストラクターの資格を取得しました。

-きっかけは何だったんですか?
怪我。
子供と一緒にバレエを習いに行って、前に行った通り私もバレエをしていたので、私の方が一生懸命になり過ぎて、それで怪我をしてしまったんですね。椎間板ヘルニア。一度、ヘルニアは治ったんですけれど、またバレエを再開するとヘルニアが再発。そこで、自分の身体を整えてヘルニアを治すには何がいいかと色々探して出会ったのがピラティスでした。

-椎間板ヘルニアとは?
背骨の下部にある腰椎は5つの椎骨で構成されていて、椎骨と椎骨の間にはクッションの役割をもつ椎間板があるんですね。激しい運動や加齢などにより、椎骨の捻じれ、歪みによりはみ出た椎間板が神経を圧迫し、痺れや痛みを感じさせる。その状態を椎間板ヘルニアと言います。


-そこからどうしてピラティスのインストラクターになろうと思ったのですか?
ピラティスの必要性を身をもって経験したからですね。

-ピラティスインストラクターとして常に心掛けていることはありますか?
「自分の正しい姿勢を意識すること」の大切さを伝えています。また、身体に痛みや故障・不安を抱えている方にも自分の身体と相談しながらやっていただくことをおすすめしています。私自信、県外の講習会に参加し学び、良いと思うものはレッスンにどんどん取り入れ、グループレッスンであっても個々にあったエクササイズを提供できるよう心掛けています。

-永渕先生が考える「ピラティス」とは?
加齢・重力に負けない美しい姿勢づくり!肩・背骨・骨盤を「正しい位置に戻す」ということですね。人は日常生活で身体に悪い癖がつき、体が歪み、それがもとで凝りやしびれ、痛みが生じてしまいます。インナーマッスルと呼吸を意識し体幹を鍛え、しなやかで健康的な体を手に入れることです。

-どういった方が受講されますか?
中高年は体の不具合が徐々に出足してきます。ホルモンバランスであったり、四十肩、五十肩…肩が上がりにくい。何か運動しないといけないと思った方が受講しに来ています。
最近では「パソコン」の悩み。お仕事で日々座りっ放しでパソコンと向き合っている方が増え、お尻がぺっちゃんこになり、骨盤も傾き、猫背になってしまい、まっすぐ胸を張っても疲れやすい…。そんな方がピラティスを受講しにきていますね。

-世代やお仕事によっても歪みや痛みは違うんですね?
そうなんです。昔だと畑仕事をしている方、今はパソコンを使ったデスクワークをしている方が多く、痛みとか歪みは世代世代で大きく違いますね。今は多種多様な職業があり、体の使い方が幅広い分、歪みや痛みも幅広くなっているのだと思いますね。

-個人個人によっても体のお悩みは違いますか?
もちろん。皆さん、体格も違うし、筋力も違うし、お仕事によって身体の使い方も違う。痛みも人それぞれで違うんですよ。50肩になったり、膝が痛い人がいたり、若いけれど体が固いとか。それぞれ身体に対する悩みも違うので、それぞれの身体に合わせて骨盤の位置、背骨の位置、肩甲骨の位置、首の位置、頭の位置をまっすぐ正しい姿勢に戻すことによって、痛みが少なくなるし、可動域(動く幅)が広くなり、筋肉を動かし関節をほぐしてあげると身体が楽になるんですね。

-歪みや痛みはどういう方に生じやすいですか?
お仕事頑張ってきた方、自己流で運動をしてきた方に体の歪みが多く、痛みを庇うために生じた歪みもあります。
テレビや、今はyoutubeを見てエクササイズをした結果、無理をしてしまったり、自分の身体に合わない運動をしてしまったりして、歪みが生じるケースもありますね。
自分の体力に過信して運動するのも危険です。元気になりすぎて、やりすぎてしまって身体を痛めるといこと繰り返してしまう方もいます。

-どういう方にピラティスを受講して欲しいですか?
運動が苦手、激しい運動は嫌、身体のどこかに痛みがあるけれど運動したいという方。老化は平等にやってきます。加齢に伴い関節の痛みも発生します。50歳で発生するのか?60歳?70歳?誰も分かりません。老化の進行度は個人差があるので、元気なうちに少しでもそれを遅らせよう。予防しようということですね。そういう意識がある方はぜひ受講していただきたいですね。

-沖縄県内あっちこっちで活躍されていますね?
「運動のすばらしさ、楽しさを伝えたい!」
私のレッスンを受けた方から、自分の地域でもレッスンをして欲しいと依頼があり、それを受けたところ、他からも声がかかるようになりましたね。自分でガンガン売り込んだ訳じゃないですよ(笑)
運動することは楽しいし、身体が軽くなる。身体が軽くなると、心まで軽やかになるので、その魅力を伝えたいですね。高齢になると当然筋力は衰え、姿勢も崩れていきます。無理なくわかりやすく、高齢者の方でも少しずつ身体の痛みを和らげる筋力が養えればいいなと思い、沖縄県内各地を回ってピラティスをベースとした「高齢者向けの体操」や「転倒予防」「尿漏れ予防」「介護予防」になる運動などを教えています。それについては、健康運動指導士・介護予防運動指導員の認定資格の勉強をしました。日々のレッスンで試行錯誤しながら、簡単で分かりやすくお伝えしています。お陰様でご好評頂いているようです。
福岡県から来て、友達もいなければ先輩後輩もいないので、色んな所からレッスンのお声がかかるのは感謝です。私に「できること」は頑張ります!
県外から沖縄に嫁いできた女性が、沖縄の習慣に慣れず、友人・知人もいないと後ろ向きにならず、前向きに沖縄で楽しく「自分自身」を発揮できるよう、ロールモデルになりたいですよね。

-永渕先生が思う「健康の秘訣」を教えてください。
健康の秘訣は「身体を動かすこと」!運動の継続です。自分の筋力、体力、痛みと向き合って、無理せず続けることが大事です。頑張り過ぎずにね。バランスを考えながら自分にあう運動をすること!それが継続につながり、健康につながると思っています。

-マットピラティス講座の目的を教えてください。
今まで日常生活が忙しく運動経験がない方、逆に一生懸命運動をしてきた方、どこか身体に痛みを感じる方、美しい姿勢づくりを目指す方、みんな一緒に笑って、楽しくピラティスをすることを心掛けています。「やって楽しかったなぁ」「軽くなたね」と朗らかに受講していただくことを意識してレッスンをしています。60分の内「身体をほぐす所」「ギュっと頑張るところ」などレッスン内容の構成をみんなが飽きないで楽しめるよう、工夫していますね。私のクラスの受講生、みんな終わった後、笑顔でしょ?(笑)


-講師として意識していることはありますか?
講師として、見られてるということは気をつけていますよ。「ああいう姿勢になりたい」と思われるように姿勢、歩き方、ネイルやウェア等のファッションまで意識しています。印象が残るようにね。

-身振り手振りが大きいのは?
幼稚園の先生してたんだもん(笑)絶対そこからですよ!バレエを習っていたことも、幼稚園の先生をしていたことも、今の自分にとても役に立っています。明るく楽しく、皆さんに受講してもらうために。

-今後、講師としての目標はありますか?
今のまま知識を深めて、毎日楽しく皆さんとレッスンできたらいいなと思っています。
健康で、これが続くといいな。
ここ数年はコロナの影響で県内各地を回ってのレッスンができなかったので、また市町村で健康体操講座とか機会をいただければやっていきたいですね。会社に訪問して、社員向けの姿勢改善レッスンとかもやっていきたいですね。講師活動をどんどんやっていきます!

-ピラティスで歪みを改善した後の世界には何が待っていますか?
歪みを改善した後の世界…。ピラティスって「10回やると気分が良くなり、20回やると見た目が良くなる。30回やると生まれ変わる!」と言われてるんですって。私なんて何度生まれ変わったことか(笑)。
若々しく、健康的に生きていくことは大事だと思っています。

-最後に一言お願いします。
無理をせずに、老化の速度を遅くして楽しく元気に過ごしましょう!

-Profile
永渕 悦子(FTPマットピラティスアドバンスインストラクター/健康運動指導士)
福岡県久留米市出身。短期大学卒業後、幼稚園教諭、フリーエアロビクスインストラクターを経て1994年に結婚し沖縄へ。現在は、健康づくり、体づくりに関する講演、福祉関係のイベント、ワークショップなどの活動、県内のカルチャースクールでピラティスの講師活動、また各行政の依頼により子育て支援、生活習慣病、介護予防改善運動の指導。自宅にてピラティスのプライベート・グループレッスンを開講。
沖縄タイムス『菜職賢美』・琉球新報『うない』など、様々なメディアに活動内容の掲載、ピラティスレッスンの監修を行う。