ウエル・カルチャースクール
【講師に聞く!vol.2】
日付:2022.06.11
講師:桑江 律子 講師
ウエル・カルチャースクール好評企画【講師に聞く!vol.2】
第2弾は、「ヴォイストレーニング」「カンツォーネ」講座の講師を務める桑江律子先生にインタビュー。講師であり現役ソプラノ歌手である桑江先生の過去から現在(いま)を聞く。
「声楽家 桑江律子」
-小さいころはどんな子どもでした?
父が公務員で転勤族。石垣や宜野湾、首里と引っ越しを繰り返していました。
私も家族も歌が好きで、よく家族でよくドライブしながら車の中で歌ったりしていましたねぇ。
-よく歌ってた歌、好きだった歌は?
小さい頃から歌うことは好きでした。当時日曜日夜19:30からやっていたハウス食品のテレビアニメ「小公女セーラ」の歌をよく歌ってました。
-音楽についての経歴を教えてください。
3歳頃からピアノを始め、小学校、中学校では吹奏楽部に入部し、スネアドラムなど打楽器をやっていました。歌を始めるのは高校に入学してからですね。高校1年の時に声楽の先生の個人レッスンを受け、高校2年の時に合唱部に入部しました。
-歌を志すようになったきっかけは何ですか?
専門的に歌を学びたいと思ったのは高校3年の頃…遅いですよね~。
高校1年の頃から音楽大学進学を志望していて、本当は…小さい頃からピアノを続けていたので、ピアノ科を受けようと考えていました。
高校2年の時、初めて出た歌のコンクールで金賞を受賞し、その副賞としてシンガポールに派遣され音楽交流をしました。そこで、たくさんの人の前で歌う経験を積み、そのおかげで「歌」っていいかもと思うようになりました。
高校3年生に上がり、新たに声楽の個人レッスンの先生として紹介されたのが翁長剛先生(沖縄県立大学名誉教授)。人生の恩師となる翁長剛先生に、当時、「声楽を学びたい」と打ち明けたところ、「声楽を学ぶなら、沖縄県立芸術大学に来なさい」と進められ、その一声で、声楽家の道へ進むことになりました。
-イタリアにも留学していますよね?
沖縄県立芸術大学~大学院卒業後、3年間イタリアに留学し、イタリア国立パルマ「アッリーゴ・ボーイト音楽院」の 声楽科で学んでいました。当時住んでいたパルマは生ハムが美味しいんですよ♪
-数多くのステージに立たれたと思いますが、これまでで印象的だったステージはどういったものがありますか?
オペラのステージですね。コンサートと違い役を演じるということで、役作りに没頭しました。普段の生活から仕草や立ち姿など鏡でチェックしたりし、その役になりきろうと必死でした。その期間はその役に集中して生活してましたね。…憑依型です。ハハハ。
-喉や体調管理で気を使われていることはありますか?
睡眠は気をつけています。睡眠不足は声に出て、歌う気力もなくなるほどガラガラ声になってしまうので、睡眠はしっかり取るように心がけています。コンサート前は、喉が乾燥しないようにマスクしたり、喉にタオル巻いて寝たりしますね。
-カルチャースクールの講師を初めたのはいつから?
社会保険センターからウエル・カルチャースクールになった頃なので、今から15年くらい前ですか。知人の紹介でウエル・カルチャースクールでヴォイストレーニングの講師をするようになりました。当時は、人前で喋ることが苦手で、今は(人前で喋ることが)ちょっとだけ上手になったかなぁ…。
-ヴォイストレーニングを教えるにあたり心がけていることはありますか?
ヴォイストレーニング講座では体を使って響く声を出すことを指導しているのですが、理論的なことをいかに感覚的に分かりやすく伝えるかを意識しています。「おでこに口があると思って♪」とか言うと受講生に笑われるんですよ。ハハハ。
理論的なことをいかにイメージで伝えるか、そして楽しくやっていくことを心がけて教えています。
-コロナ禍において、ヴォイストレーニング講座で気をつけてることや何か工夫してることはありますか?
マスク着用の徹底ですね。鼻マスクを見つけたらすぐに注意したり。最初は皆さん、歌いづらいと苦戦していましたが、すぐに慣れて歌ってました。あとは換気ですね。換気はこまめに行っております。
また、コロナが怖いなどを理由にお休みしている受講生には講座風景をyoutubeにアップし、youtube動画を見て、お家で受講してもらっていました。これは結構、喜んでいただけたようです。
-ヴォイストレーニングを指導していて、生徒から言われた嬉しかったことはありますか?
カラオケとかコーラスで「声が出しやすくなりました。」と報告を聞くと嬉しいですね。
また、受講生の皆さんが私が出演するコンサートを鑑賞後、「あそこが良かった~」とか「あそこはもう少し…」など私に感想を伝えてくださって、これも本当に嬉しく、自分の励みになります。
-ヴォイストレーニングを受講始めてから、受講生の変化はありますか?
「高い声が出ない」とか自分の声に自信がない方が、最初は苦手なパートは口を閉じて歌わなかったのが、その後ポジティブに大きく口を開けて挑戦している姿を見て、心の変化を感じ感動します。
-講師ではなく、受講生として受けてみたい講座、習い事はありますか?
フラメンコですね。実は留学中フラメンコをしていました。忙しくなり、続けられなくなっていましたが、また踊りたいですね~。
-いつも笑顔の桑江先生、笑顔の秘訣とは?
ハハハ!そうですか?人との出会いですかね~?カルチャースクールだとスタッフや受講生の皆さんと挨拶したり、おしゃべりしてると自然に笑顔になってしまいますね。「ボンジョルノ!」と毎回元気に挨拶してくるムードメイカーの方がいて、その方が「ボンジョルノ!」というと私も他の受講生もみんな笑顔なります。ありがたいです。
-桑江先生はソプラノ歌手ですが、アルトや他のパートが良かったと思うことはありますか?
いいえ、ソプラノで良かったです!オペラだとソプラノは娘役が多く、私にとっては役作りしやすいんですね。
-コンサートで歌ってる時、どういう心境ですか?
お客さんも家族みたいで。歌っていて緊張もするんだけど、その緊張を見られているような、応援されている感じがして、その雰囲気が好きですね。皆さんとの親しみを感じます。
-その他の活動で何かやっていることはありますか?
「うるまお出かけ音楽隊」というユニットを組んでいて、私が歌で、ピアノが二人いて、あとはサックスとフルートという編成なんですが、アニメからクラッシックなど幅広いジャンルを歌い、学校や地域のおでかけ公演で子供からお年寄りまで楽しんでいただいております。
-憧れる歌手は?
常に謙虚に研究し続けている人。ストイックな姿を見て、自分もそうありたいと憧れます。
-現役の声楽家を続ける秘訣は?
コンサートを終える度に「十分できた!」という心境は一度もなくて、毎回課題が見つかります。満足せず、次の課題、次の課題に挑戦し続けることかもしれません。先輩たちが高みを見せてくれるので、満足せず自分も頑張ろうという気持ちになり、長く続ける秘訣にもなっています。
-桑江律子的イタリアを旅行するならおすすめな都市
1位 ベネチア…ゴンドラに乗って水の都を楽しめます。カーニバルの仮装パーティーは映画の世界にいるような気持ちになりました。
2位 ミラノ…ミラノと言えばオペラ!世界三大劇場「スカラ座」でオペラを鑑賞できます。
3位 パルマ…屋台の生ハムがとてもおいしく、塩っけの強いものとか甘いものとか、果物に合うものとかたくさんの種類の生ハムが楽しめます。
プロフィール
名前:桑江 律子
1977年生まれ。沖縄県立芸術大学声楽専攻卒業、同大学修士課程修了。イタリア国立パルマ音楽院アッリーゴ・ボーイトに入学。同音楽院にてディプロミーノを取得。帰国後、初リサイタル開催。沖縄オペラ協会主催「椿姫」にヴィオレッタ役、同主催「リゴレット」にジルダ役、「仮面舞踏会」にオスカル役で出演。2017年リサイタルを開催。2021年沖縄オペラアカデミー主催「ジャンニ・スキッキ」にラウレッタ役で出演。声楽を儀部スエ、安座間和美、ルチェッタ・ビッツィ、翁長剛の各氏に師事。うるまおでかけ音楽隊所属。